生産性より生産

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生産性より生産。

これは、全体最適を考えるTOC理論の中でも指摘されている概念です。

働き方改革でも生産性向上という働き方が言われたり、組織でも機械でも生産性が問われたりします。

しかし、TOC理論では、各個人や各組織、各機械の生産性に注目するよりも、単純に全体としてのアウトプット(=生産)に注目する方が大事だと考えるのでした。

まぁ、そんな難しい話をしなくても、単純に、生産性が高くてもまったく生産しないより、生産性が低くてもたくさん生産するということがありえます。

これ、働き方改革と真っ向から反対する考え方のように思えます。

2時間で10生産すると、生産性は1時間あたり5。
5時間で20生産すると、生産性は1時間あたり4。
つまり前者が生産性が高くて、後者は生産性は低いということになります。

でも、アウトプットとしての成果は、後者が高いからですね。

そう、生産性をまったく問わなければ、時間がどんどんかかってそれはそれでよくないです。
あたり前ですね。

ですが、生産性だけを見るのではなく、生産を見なければなりません。
生産性が高まったとしても,結果全体としての生産が下がらないようにしたいのですね。

つまり生産を下げずに、時間を減らすのが、生産性アップの際の観点です。
生産を見ない生産性アップは、ずれた議論になっていきます。

生産性のような比率やかけ算だけを追いかけるのは、ちょっと危険だということを頭の片隅に置いておくとよいと思います。
それが、生産性よりも生産をみるということです。

最近、大学生と話していると、試験は合格ラインギリギリの60点で合格するヤツが一番頭がいいという話を聞きます。
試験で80点で合格するヤツは馬鹿だと言います。
それは、60点で単位を獲得するのが、コスパ最強だからだという理由ですね。

いやぁ、そういう考えをする学生が本当にいるんだなぁ、というのは驚きでした。

試験勉強に関して最小時間、最小労力で、効率よく勉強して、1単位を取る。
1単位を取るのにかける労力や時間が最小なので、いわゆる生産性が高いということに通じます。

それに対して、頑張って中途半端な80点を取るなんて、時間と労力の割に見返りが低くて、生産性や効率が悪いということですね。

そんな効率や生産性のような比率で考えてしまうからこうなりますが、単純にアウトプットという成果で見れば、80点は80点であり、60点は60点であり、どう見ても60点より80点の方が高いです。

単純にアウトプットという成果でみましょうというのは、そういうことです。
80点の方が頭がいいです。

生産性(能力)が高くても、低いアウトプットで満足するのは違うのではないかと思います。
生産性(能力)が低くても、高いアウトプットであれば、そちらを認めたいと思います。

ウサギとカメのような単純な話なのですが、コスパだとか、生産性の罠に陥らないようにしたいものです。

<まとめ>
■生産性や効率に関する議論がよくされることがあり、それは大事なのだが、それでもなおシンプルに生産を見ることをおろそかにしてはいけない。
■生産性(能力)が高くても生産しないのと、生産性(能力)が低くても生産するのでは、後者を認めるのが基本ではないか。
■コスパ最強、最小労力での結果、楽して結果出すも大事なのだけれども、それよりもまずはシンプルに結果にこだわってみることも大事なのである。
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