修士論文を書くにあたって、早めにしておいた方が良いことは?
この春に大学院生となる方から、
「修士論文を書くにあたって、早めにしておいた方が良いことがあったら教えてください」
とご質問をいただきました。
大学院の入学おめでとうございます。
4月からの大学院生活、
2年間の修士課程はあっという間ですからね。
そして、モチベーションも高いこの時期には、
どんどん進めていきたい気持ちも湧いてくると思います。
領域によっても、
論文の書き方や取り組むプロセスは異なると思いますので、
今回は生涯教育の論文をベースに、
自分だったらどうするかということでお届けいたします。
まず、何をしたらよいかといえば、
自分の問題意識を自分の言葉で書くことをしておくのがよいです。
どんなに拙くても、
どんなに荒くても、
どんなにスカスカでも、
まずは自分のまっさらな思いをそのまま書いてみることです。
何を明らかにしたいのか。(What)
なぜそれを明らかにしたいのか。(Why)
どのように明らかにしたいのか(How)
これらを自分なりの言葉で表現することです。
本を読んだり、
先行研究を調べたりする前に、
まずはここからです。
自分の問題意識が出発点になりますし、
最終的に戻ってくる部分もここになります。
まずは自分の言葉で書いてから、
本や先行研究となる論文を調べていきます。
実際にすでに明らかにしようとしている人はいないのか?
どこまでできていて、どこはできていないのか?
どれが自分の考えや望むものに近いのか?
などなどを探っていきます。
自分が何を明らかにしたいのか、なぜ明らかにしたいのか、
自分の言葉で書いておかないと、
他の人の意見や考えに流されます。
そして流されて流されて、あれもこれもよいものに思えて、
結局自分の言葉で表現することから遠くなってしまいます。
どんなに荒くても、ラフでも、
自分で問いを考えてみるところからがスタートをしていただくと良いかと思います。
そうしたら次に先行研究や関連する文献のピックアップでしょうね。
書籍10冊、論文20本くらいピックアップしておくとよいです。
<まとめ>
■論文や研究をする時、最初に荒くてもラフでもよいので、
自分の言葉で問題意識を書いておくところからスタートをしたい。
■何を明らかにするのか。なぜ明らかにするのか。どうやって明らかにするのか。
他人の言葉ではなく、自分の頭の中にある言葉で表現しておくことだ。
それが羅針盤のようにはたらく。
■自分の頭で考えずに、他人の本や論文を読むと、
結局他人の思考に流され、自分がやりたいことややるべきことがつかみにくくなる。