クリスマスを構成する４つの側面
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朝起きると、ラジオからクリスマスの定番ソングが流れていました。
朝の冷たい空気を感じながら、もうそんな季節だなぁ、なんて感じたりします。
今日は、クリスマスという実践がどうやって構成されているかを考えてみます。
クリスマスを例にしますが、複合的な視点でみることができるようになると、私たちの日頃の実践を捉えるレンズの解像度があがるのではないかと思います。
クリスマスというのは、とくに実態がないものですが、いろんなものによって、感じたり、構成したりすることができます。
インテグラル理論をもとに、分析してみましょう。
＜1.個人の内面（心理、思考、感情、個人的な意味世界）＞
私たちはクリスマスという概念を知っています。
これまでのクリスマスの思い出や記憶もあります。
クリスマスのイメージもあります。
クリスマスに関する知識や記憶やイメージがあることによって、私の頭の中や心の中にクリスマスを想起することができるのですね。
クリスマスという概念を全く知らなかったら、もみの木に電飾が飾り付けられていて綺麗に光っていても、ただ木が光っているだけにしか見えません。
クリスマスの定番ソングを聴いたところで、なんか音が流れているなとしか思いません。
赤い服をきた男の人がトナカイに乗っていても、なんだろうこのおじさん、くらいにしか思いません。
私の内側に、クリスマスに関する知識やイメージがあるから、外側に起こっていることをみたときにクリスマスに対する感情も湧き起こりますね。
2.個人の外面（身体、細胞、感覚器官、脳）>
クリスマスを想起させる刺激というものがあります。
クリスマスの定番ソング、
冷たい空気、
クリスマスツリー、
サンタクロース、
子どもたちへのプレゼントのチラシ、
などを、見たり、聴いたり、肌で感じたりすると、それが脳や身体を刺激します。
この刺激が私たちの身体を通して、意味をつくり出します。
光を見る、
音を聴く、
空気に触れる、
そんな刺激を身体が受けるからであり、クリスマスの刺激というものがあります。
＜3.集団の内面（共感覚、文化、世界観、ビジョン）＞
個人の内面だけではなく、私たちがつくりだしている空気や文化というものがあります。
「もうすぐクリスマスだね」
「そうだね」
と会話でお互いに共通理解をしたり、互いに認識できるとき、私たちはクリスマスの空気を感じることができます。
私たちがクリスマスらしさをこの時期はみんなでつくり出します。
私たちの中にあるクリスマスという世界観、共通認識、ビジョンがあるから、家や街にクリスマスらしさが漂います。
＜4.集団の外面（制度、ルール、システム、装置）＞
街に飾られたイルミネーション、
クリスマスツリー、
クリスマスリース、
サンタクロースの人形、
クリスマスのキャンペーンのチラシ、
ケーキのチラシ、
などなど、私たちの社会やシステムを見渡せば、目に見える形でクリスマスらしいものがあふれていくことに気づきます。
内面化されたものではなく、目に見えるもの、物質的なものを通して、社会全体がクリスマスを構成していきます。
これらがまざりあって、12月はクリスマスらしさが漂い、刺激を受け、個人もクリスマスらしさを感じます。
家族の何気ない会話、
マスコミやインターネット上の情報、
街のイルミネーションや置物、
音楽、
などを通して、みんなでつくり上げていますし、その中で個人の内面に意味が浮かび上がってきます。
個人の内面（思考、心、意味）
個人の外面（身体、脳、細胞、感覚器官）
集団の内面（共通認識、文化、ビジョン）
集団の外面（システム、制度、装置）
の４つが複雑に合わさって、クリスマスという実態のないものができあがります。
そのため、クリスマスは社会的実践だといえます。
みんなでつくりあげますからね。
今回はクリスマスを例に取り上げましたが、
仕事にしても、
遊びにしても、
家事にしても、
教育にしても、
実践というものは、この４つの側面が複雑に影響しあっています。
個人と集団、
内面と外面、
それぞれがそれぞれに影響しあっているという広い視点をもっていると、目の前の現象を理解しやすくなるかもしれませんね。
＜まとめ＞
■クリスマスというイベントや実践は、社会的に構成されるものである。周囲や社会の影響を強く受ける。
■ツリー、リース、ケーキ、イルミネーション、サンタクロースの人形、などの物や装置や制度が、街の雰囲気という目に見えないものをつくったり、私たちの身体への刺激を与えたりする。
■装置や身体刺激などの外的な側面が、私たちの社会の雰囲気や、私の内面に影響を与える。社会、制度、装置、文化、身体への刺激、などと、個人の内面は切っても切れない関係にある。